
第48回 わが民族の将来を身籠る大学
(2002/
12/7記)
モンゴルの新聞 DAL の旧暦蛇の月19日白龍の日に掲載された記事です。著者の L.TUDEV さんはこの国の著名な文学者で元大統領のオチルバットさんの対立候補だった人だそうです。
L.TUDEV
(日本語訳:ゲレル、校正:佐藤武久)
モンゴル人には妊娠している女性の前を通らない習慣があります。なぜかと言うと、子宮の中の赤ちゃんは未来の偉大なる人物であるかも知れないという考えを持つので前を通るのが悪いと思うからです。
これは個人の問題ですが、民族全体の未来を子宮の中に育てている学校という、本の声が響き、子孫が歩き始める所があります。現状から見ると、モンゴルと言う民族の未来を育てている学校と言えば、科学技術大学、教育大学、医学大学、農業大学だと言えると思います。これらの中で「どの大学の前を通ったらいけないか」という質問にすぐに答えられない人は多いでしょう。
これらの大学を全部知っている私としては、「我々の未来を背負っている大学とは科学技術大学だ」と言わなければなりません。その理由は、第一に、21世紀と言うのが“T”(TECHNOLOGY)印、いわゆる、テクノロジーの世紀になること、第二に、新世紀の経済、政治、文化、生活はすべて技術に頼ること、第三に、未来の時間や通信はエレクトロン文字に支配されるからです。“T”印は新世紀の人々のあざであり、“E”(ELECTRON)通信は新世紀の赤ちゃんの話し始める最初の言葉でしょう。
モンゴル科学技術大学はこれらを明日からではなく今日から教え初めています。赤ちゃんは子宮の中で笑うこと、泣くこと、怒ること、乳を飲むことを習い、また、お腹から出たあと、誰にも教えられないで、泣き、乳を飲み始めます。これと同じように、今、科学技術大学の学問という子宮の中に宿っている子が新世紀の言葉や訓練を学んでいます。
民族の未来の優れた子の出産を手伝うのは、当然のことですが国民です。その名づけ親は誰かといったら、科学技術大学の学長、デンデフ・バダルチ博士でしょう。1992年にバダルチさんが科学技術大学というゲルの戸主に任命された頃は、モンゴルにこんな大学があるなんて世界はもちろんのこと、国内でもあまり知られていなかったのです。しかし、戸主になってから日が浅かったけれども、バダルチ学長は5壁のゲルを10壁の宮殿にまで拡大し、最初3000人の小さい家族を3倍ほどの大家族にし、モンゴル内で15の分校と学部、3つの付属高校(リツェイ)、40の学科、700人の教授や教師、何箇所もの研究所の大家族にと高められました。
モンゴルで初めての単位制度を導入したり、20カ国の40の大学や教育機関と交流を結んだり、“トヨタ”、“AUTODEXS”等の世界で有名な会社と協力したり、モンゴル国内で科学、教育、生産をまとめた大きな集積体を築き上げました。戸主のバダルチさんの率先力、機転、先見性ある方針、幅広い考えのお陰で、科学技術大学は短時間で現代の教育条件を満たし、コンピュータ化され、インターネットに接続され、近代の設備が導入された大きな組織へと変革され、モンゴルの一流大学となりました。
先頭になっても、モンゴルの大学のコンソーシアムが科学技術大学に集中し、当コンソーシアムの設立者の一人であるバダルチ学長を会長に選び、活動をやっています。モンゴル国の歴史で大学のコンソーシアムが初めて設立されたのも、その会長で、経営オートメーション化システムで最初の大卒者の1人であるバダルチ教授が選ばれたのも、モンゴルの進歩発展にとって幸運なことと言えるでしょう。経営オートーメーション化と言うもつい最近までは、遥かな夢でした。それを夢ではなくて、具体化した人が教授バダルチです。モンゴルのコンソーシアムの会長としても、モンゴルの工学の一流大学学長としても、バダルチ教授は新世紀の頼りになるエンジニアを育て、21世紀のモンゴルの知恵を積み上げています。
バダルチ学長は民族の知恵能力を上げるために、教育制度に注目する面では、正しい方針を持った教授であり、ヨーロッパやアジアで一流の国の教育制度を詳しく研究し、大きな研究論文を書いた人でもあります。バダルチ学長の研究結果となる“アメリカの大学教育”という本は(ウランバートル 1999年)現代の教育学に重要な役割を果たしました。その本の参考文献だけを見ても50冊以上の有名な書名が書かれています。モンゴルでは、ヨーロッパのどの言葉でも研究書が見つからないのが当然です。しかし、モンゴル人がアメリカの母国語でアメリカの教育制度について調べ、本を書き、モンゴル国内で出版するということは、数年前、考えられないものだったのです。しかし、モンゴルの若い人がそのレベルを短時間で超えたのです。
彼はドイツの教育制度をも研究し本を書きました。本人はロシアのウラル大学工学部を卒業し、モスクワで学位を取得した人なのでロシアの教育制度をよく知っており、ロシアの教育制度をも尊重しており、ロシア、ドイツ、アメリカの長所を持った、モンゴルに適した教育制度を作り、モンゴル的な大学の形を作り初めています。科学技術大学は最初に新型の図書館を導入し、電子図書館を設立しました。最低70台のコンピュータを備えたルームを何箇所か設立するように準備が進められており、学校内に最新技術を応用した展示場を作りました。彼は最新の物にだけ目を向けるのではなく、伝統的な文化にも注目をし、モンゴルの伝統的な衣服の展示会も開いています。これは、科学技術大学のデザイン学部の教育に重要です。モンゴル科学技術大学と言う大きなグループが抱える学部などを言うだけで、どれくらい重要な集積体になったかがすぐに分かります。このグループの中には:地質学部、エンジニアの基本教育学部、コンピュータ・マネジメント学部、機械工学部、鉱山学部、建築学部、工場テクノロジー・デザイン学部、通信情報学部、食品技術学部、電気工学部、ダルハン・オル県での技術学校、外国語学部等の10以上の学部が含まれていることから見ると、21世紀のモンゴルの社会で重要の技術者を育てていることが分かります。通信、情報、デザイン、テクノロジー、マネジメント、コンピュータ、地質、建築教育というのがつい最近まであまり値打ちがなかったけれども、21世紀には欠かせないリストです。科学技術大学は新世紀に向けての活動をし始めてから、初期の効果が現れているのが現状です。以前に述べた学部の中の“食品技術学部”も重要な分野でしょう。モンゴルの食材の組成、ラツイオンを現代の生活に適するように処理すること、食料を外国に頼ること、食料で支配される危険に抵抗する明確な意識と免疫を民族に与えるという非常に強い問題を解決することに重要な位置を示す分野です。
モンゴル国に技術関係の大学がこのように集積体として蓄積されているのが、社会学や人文学優先という古い考え方や教育制度を改善する革命が起こり始めている証拠です。その改善の旗を頭上に掲げた科学技術大学という沈まない船の船長のバダルチさんが波の荒い人生の中で、信頼できる方針、迷わない羅針盤を持って前へ進んでいます。情報技術と工学の可能性について知恵を持つ民族の未来を生み出す行為これからももっと活発に進みますようお祈りします。
(EOF)